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  • コンクリートの配合設計と品質管理  -「性能」「品質」「経済性」を決定する配合の論理-

    発行日:

    2013/2/26

    出版社:

    セメントジャーナル社  編集・制作:インターメディアリー

    寸 法:

    216mm × 153mm × 16mm

    頁 数:

    256ページ

    著 者:

    三宅淳一(株式会社JPハイテック 中部カンパニー長)

    定 価:

    3,990円(税込)

    ISBN:

    ISBN978-4-915849-79-4

  •  最適細骨材率とは何か?なぜ配合で水セメント比が重視されるのか?
     本書では、コンクリートの配合に関する過去から現在までの研究成果や知見をまとめ、実務において曖昧にされがちな問題について考察するとともに、配合設計の要点を論理的に解説しました。併せて、品質管理を行ううえで必要な統計学の方法論についても説明を加えています。
     コンクリートの配合における「なぜ、そうなるのか」「どうしたらいいのか」という疑問に答え、経験や結果が重視されがちなコンクリート技術の本質を論理的に理解することを助ける専門書です。

    発売元:セメントジャーナル社のサイトはコチラ

     

     


    まえがき

     コンクリートに係る作業の中でも、いかなる量の構成材を使用して製造するかを決める配合設計は、コンクリートの基本的な性能や経済性を左右するため、とくに重要である。しかし、水量や温度によって硬化機能が変化するセメント、採取機会や製造過程の違いによって多様な性状を示す天然素材の骨材を使用することから、コンクリートの性状はなかなか予見しづらい。よって、コンクリートの配合決定は、学理的な論理に則って演繹的に決定するという方法ではなく、その時々の材料を用いて試作し、試験によって性状を確かめるという帰納的な方法論を主流としてきた。

     結果として配合設計は、試験結果に基いてなされることが一般的となった。現在では、試験の手引き書や配合の標準値等も示されていることから、試験結果のみによって機械的に配合設計を行うことも可能である。また、高性能AE減水剤に代表される各種混和剤の発展によって、強制的にコンクリートの性状を調整することも可能となった。

     そのため、コンクリート製造の現場において、なぜそのような性状を示すのか、なぜスランプが最大になる細骨材率が存在するのかといったことについて考える機会は少なく、学理的な追究もいささか不十分な状態にとどまっているように著者には思える。また、過去に行われた配合関係の研究成果も忘れられつつあるように感じている。

     しかし、コンクリートの配合には論理的な理想があり得るはずであり、事実、その追究に先人は多くの労を費やしている。本書では、コンクリートの配合に関する過去から現在に至る知見をまとめ、配合の論理やあいまいにされがちな問題点について考察することとする。

     1章は配合設計の要点について、2章では1900年頃からこれまでの配合設計に関する研究について概説した。3章では各材料の特性や具備することが望まれる性質、4章では各材料の配合量の要件について整理した。5章では配合設計の手順や配合強度の計算の学理について述べた。6章では本書の基本理論とした余剰ペースト理論を解説し、余剰ペースト膜厚と骨材平均粒径を用いた変形性の評価法について示した。7章では振動締固めに有利な細骨材率について考察した。8章では粉体混和材を用いる場合の適正使用量や最適細骨材率の補正について、余剰水膜の概念を用いて解説した。9章ではコンクリート試験の具体的な手順を示すとともに、単位水量・空気量の影響を同時に考慮した強度の評価法について述べた。10章は品質管理に用いられる統計理論や管理図の学理について解説した。11章ではコンクリート管理の実務に供するため、コンクリートの性状変動の原因についてまとめた。さらに、付録としてQ&Aと正規分布の確率密度関数の誘導を設け、読者の理解の深化に供することとした。

     配合に関する読者の理解の深化と今後の技術の発展に寄与できれば幸いである。

    2013年1月

    三宅淳一


    推薦の言葉

     十河茂幸氏(広島工業大学 教授)

     コンクリートの配合設計は、構造物に要求される性能を付与する第一歩の技術的行為であり、現代では大変重要な技術のひとつであることは間違いありません。配合設計を誤ると、施工時に不具合が生じる確率が高くなり、地震時の安全性に不安を抱えることになり、本来は長期間の供用を期待できる構造物に対する維持管理費用が当初の想定を超えることになります。配合設計は計量や練混ぜなどの製造技術とともに、進化させるべき分野です。
     本書は、コンクリート技術を近代化する過程で必要とされた配合設計の考え方を整理し、配合設計のあるべき姿を示し、現在のコンクリート工事で行われている仕事に一石を投じる内容となっています。

     


     主な内容

    第1章 コンクリートの基本的性質と配合
     1.1 セメントペースト,モルタル,コンクリートとは
     1.2 骨材の必要性
     1.3 コンクリートの配合設計の要点

     第2章 コンクリートの配合に関するこれまでの研究と課題
     2.1 コンクリートの配合設計手法の発展過程
     2.2 配合設計手法における課題

     第3章 コンクリートを構成する材料
     3.1 構成材料
     3.2 構成材料の粒度
     3.3 コンクリートの構成要素としてのペースト,モルタルおよび骨材

     第4章 コンクリート中の各材料の配合量に関する要件
     4.1 コンクリート中の各材料の構成比率に関する要件
     4.2 各材料が満たすべき要件

     第5章 コンクリートの配合設計の手順
     5.1 配合設計の概要
     5.2 配合強度の設定
     5.3 耐久性と水セメント比の関係
     5.4 強度と耐久性等に関する要求を満足できる単位水量および単位セメント量の設定
     5.5 粗骨材最大寸法や細骨材率等による骨材粒度の設定
     5.6 空気量

    第6章 余剰ペースト理論に基づく配合設計法の展開
     6.1 C.T.Kennedyの提唱による余剰ペースト理論
     6.2 余剰ペースト膜厚粒径比による変形性の評価
     6.3 水セメント比を考慮した最適細骨材率の推定 

    第7章 振動締固めに適した細骨材率
     7.1 地盤に対する液状化判定指標の適用
     7.2 振動締固めが最も容易になる細骨材率

     第8章 粉体混和材によるフレッシュ性状の改善
     8.1 粉体材料の適正量
     8.2 ペーストの体積濃度の変化に対応する細骨材率の補正

     第9章 コンクリート試験の手順
     9.1 細骨材および粗骨材の混合物に対する実積率試験
     9.2 細骨材率および単位水量を設定するための試験
     9.3 一軸圧縮強度試験値の評価の方法

    第10章 コンクリート強度の管理手法
     10.1 強度管理の基本
     10.2 不良率の確認
     10.3 管理図による異常値の検出
     10.4 X(_)-R管理図,X(_)-s管理図,X-Rs管理図
     10.5 X(_)-R管理図,X(_)-s管理図,X-Rs管理図の作成例 

    第11章 フレッシュコンクリートの性状に影響を与える各種の要因
     11.1 スランプに影響する要因
     11.2 空気量に影響する要因
     11.3 ブリーディング量に影響する要因
     11.4 分離抵抗性に影響する要因
     11.5 締固め性に影響する要因
     11.6 ポンプ圧送性に影響する要因

    付録1 コンクリートに関するQ&A
    付録2 正規分布の確率密度関数の誘導

     

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